カウンセリングと占星術の差異

私がロンドンでカウンセリングの勉強を始めたときに一番最初に習ったことはカウンセリングの基本的な態度=SOLARでした。身構え(Squaring)・寛大(Openness)・聞き取り(Listening)・受容(Acceptance)・責任(Responsibility)の頭文字を集めた略語です。カウンセリングも占星術のコンサルテーションもこの点では一致しています。しかしカウンセリングと占星術のコンサルテーションでは一致しない点も多いので、それをこれから指摘していきます。

カウンセリングの目的はクライアントのニーズにより様々ですが、「問題の改善」「生活の質の向上」「症状の除去」などが挙げられるでしょう。

占星術のコンサルテーションも「問題の改善」や「生活の質の向上」を目的としますが、「症状の除去」は副次的になります。

カウンセリングのゴールもクライアントのニーズやカウンセラーの方針により様々ですが、私はクライアントが自律性(autonomy)を獲得することだと考えています。

それに対して占星術のコンサルテーションのゴールはクライアントが自分で問題を解決するために必要な知識や技術の提供です。クライアントに十分な自律性がない場合、知識や技術だけでは一人では問題解決できないという場合も多いのです。

コミュニケーションの手段も異なります。

カウンセリングでは言語によるコミュニケーションよりもむしろ言葉にならないコミュニケーション、沈黙や表情、語気やムード、感情や勘、場合によっては夢やファンタジーのほうがより重要で、圧倒的な力を持つのです。

それに対して言語によるコミュニケーションが占星術の限界です。言語による正常なコミュニケーションができない場合は対応できません。状態悪化の危険性があるからです。

カウンセリングと占星術の間には「対話を分かち合う」ことと「読んで聞かせる」ことの違いがあるのです。

クライアントのタイプも異なります。

カウンセリングでは来談者はカウンセラーとのセラピー的な人間関係に救いを求めて来ます。カウンセラーの人間的限界がカウンセリングの限界となります。

それに対して占星術のコンサルテーションでは来談者は「占い師」の知識と技術と助言に救いを求めて来ます。

占星術のコンサルテーションでは明確に言い当てることが重要になります。しかしクライアントが受け入れる余裕のないようなことを指摘するのは、クライアントの許容量(キャパシティ)をよく判断して慎重に行う必要があります。特に、心理学的なアプローチをする占星術師はクライアントを傷つけないように注意する必要があります。カウンセリングではクライアントが自己受容できるようになるまでに、相当の年月をかけて心の成長に合わせて徐々に意識を開示してゆくのです。

カウンセリングが通常継続的に行うのに対して、占星術のコンサルテーションは断続的です。

情報量という点では、心理学的なアプローチをするカウンセリング占星術は、回数を重ねる心理カウンセリングを1~4回のセッションで終了します。

ユング心理学の用語を使うと占いとカウンセリングの違いは占い師(魔術師)/見習い元型と治療師/病人元型の違いです。心理療法に占星術を導入する場合、セラピストが占星術の正確な知識と経験を持ち、セッションが進んでクライアントとの信頼関係が成立してからでないと、最良でもクライアントから誤解を受けて終わる結果となります。言語によるコミュニケーションが始まり占星術の舞台となるコロセウムすなわち遊戯の場となる潜在的空間(ウィニコット)を準備する骨の折れる事前作業が必要です。

カウンセリング占星術では来談者中心カウンセリングの長所を踏まえて、「占い師中心」になりがちな占星術を改めクライアントさんからのフィードバックを聞き取りながら進めています。

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